先日より動力車のDCC化ばかりやっています。
追兎電鉄の動力車は単純にデコーダを搭載するだけではありません。
Bトレの動力性能を補い、集電性能を高めるため、2両ユニットを基本としています。


BトレにDCCデコーダを搭載する方法をご紹介していきます。

まず用意するもの。

■(1)DCCデコーダ

これが無いと始まらないですね。
使用するデコーダは入手の容易さとコストパフォーマンスを考慮して、KATOのEM13を使用します。
このデコーダはDCCフレンドリーという規格で、動力車の制御に特化したデコーダです。
ライトコントロールなどのファンクションはありませんが、BトレをDCC化するだけなら十分です。

■(2)極細電線

電気配線はエナメル単線でもいいのですが、より対線(ツイスト線)を使用します。
電気は電線の表面を流れますので、単線よりも表面積が多いツイスト線を使用した方が絶対的な性能が向上します。
また追兎電鉄は2両ユニットとするため、車両間ジャンパとしますので太い電線を使用するとカーブや分岐で脱線する原因となります。
AWG32という規格で、数字が大きいほど細い電線になります。
さらに細いAWG36の方が脱線のリスクは少なくなりますが、AWG36は入手が困難であるのと高価であるためAWG32を使用しています。ここは好みでどうぞ。
ただAWG28だと正常に走行しないのですよ。

■(3)板おもり

これは釣具用の板おもりです。当然ながら釣具店で入手しています。
Bトレ動力はプラボディであるため非常に軽いです。
軽すぎると集電性能が悪くなります。…というか、おもりで補重しないとまともに集電しません。
また走行性能も補重しないと3両編成でさえ動きません。


おもりはBトレ専用おもりが発売されていましたが、すべての製品に対応するためかサイズが小さくて十分な性能を引き出せません。ミニ4駆のおもりを使っていても同様に…。
小さいBトレのボディいっぱいに補重するには加工が容易な板おもりしかない…ということです。

■(4)Bトレ動力を2両

Bトレの動力は、KATOとバンダイから発売されています。
バンダイの動力は、牽引性能が高く、Bトレの台車リレーフを使用することが出来ます。
KATOの動力は、牽引性能が低く、台車も「通勤1」「通勤2」「急行1」と3種類しかありません。
これだけ考えるとバンダイ動力を使うでしょうが、やはり使用するとなるとKATO一択です。
バンダイ動力の不安定さでは安心して使用することが出来ません。さすが鉄道模型メーカーであるKATOの動力は(補重させすれば)非常に安定しているわけです。

■(5)Bトレ車両を2両

2両ユニットとするため、となりあう2両を用意します。
今回は阪急9300系です。
この阪急9300系は製品では屋根が真っ白なので、マスキングして灰色で塗り分けをしてします。またボディはクリアを何度も噴いて磨いた特別思い入れのある編成でもあります。
追兎電鉄ルールでは、前から2両目と3両目を集電&動力とします。
河原町方向の2両目と3両目にすると、パンタグラフ搭載車が該当するため、梅田方向の車両を対象とします。
動力車は今後も車輪や車軸のクリーニングや、モーター交換などメンテナンスが必要であるためパンタグラフが無い方がいいためです。

ここまで用意できたら、アナログパワーパックを用意します。

DCC化するのにアナログパワーパック?と思うでしょうが…

動力車をまずはアナログで走行させて動作確認をするためです。
追兎電鉄でDCC化改造工事を施工して、最初の試運転で走行するのは約7割です。
走行不良の原因はいろいろありますが、問題の特定は非常に面倒なものがあります。
走行不良時にいろいろ調査して、結局モーター不良だった…というのも珍しくありません。後々のトラブルを未然に防ぐため、アナログでの走行試験は必須となります。

次にDCCコントローラーを用意します。
ここではDCS100ではなく、入門用のD101で十分です。

まずはプログラム線路にEM13を乗せて正常性確認をします。
ハンダ付けをしてしまうと初期不良の交換ができません。
そこでプログラム線路でデコーダの正常性確認をします。KATOのDCCフレンドリー動力車があれば、それに付けて走行するか確認するのもアリですね。

さてアナログパワーパックで正常性が確認された動力車を分解します。
KATOの動力車は製造された時期により、抵抗が入っているものがあります。
抵抗は初期の製品なので、現在流通している製品には無いはずですが…。
DCC化する際に抵抗は邪魔なので撤去します。

次に必要な工具など…

○マスキングテープ
デコーダのハンダ付けをする時に仮とめしたり…非常に便利です。

○ハンダ
ハンダ付けするのですから必要ですね。
できれば精密機械用があればいいです。

○ピンセット
ハンダ付けしたり、車両を分解するときなどに使用します。
特にハンダ付けする時に、やけどをしないためにも…

○ピンバイス
Bトレ動力の基盤に穴を開けるときに使います。
AWG32の電線を使うので、0.5mm前後がよろしいかと…

○カッター
電線の被膜を剥いだり、基盤のパターンカットに使います。

○ラジオペンチ
補重する板おもりを圧縮するために使います。

あと必要な道具ですが

○テスター
単純に導通テストのみに使います。
ハンダ付けなどしても、思わぬ場所でショートしていたり…未然に防ぐため必須のアイテムです。

○ハンダゴテ
これは低出力?のもの推奨です。私も最初は何も考えずにハンダゴテを買って使っていたのですが、何度もハンダづけを失敗していました。なぜなら30Wのハンダゴテなので、ハンダが一機に溶け出してしまうからです。(そんなことも知らなかったんですね。)
現在は20Wのハンダゴテですが、これに変えてから失敗が皆無ではないですが、激減しました。弘法筆を選ばず…ってウソです。いい仕事をしたいなら道具にはこだわるべきですね。

さて、いよいよ加工です。
いま店頭で販売されているのは左の基盤です。右の抵抗は取ってしまいます。

DCC化のためにパターンを切った基盤が2枚と、12cmの長さにした電線が6本を用意します。このときに電線の両端は3mm~5mmで皮膜を剥いでおきます。

パターンを切った基盤にピンバイスで穴を開けて、そこに電線4本をハンダ付けします。ハンダ付けの方法はいろいろですが、私は基盤やコードはマスキングテープで仮止めして、ピンセットでなるべく電線の根元をつかんで作業しています。

電線のハンダ付けが終わったら、基盤と電線のハンダ付けが出来ているか、かならずテスターでチェックしましょう。
ハンダ付けやパターン切りが不十分でショートしていたりすると、後から問題切り分けが面倒です。すっごく面倒です。
正常性が確認できたら元の動力フレームに設置します。
ここではまだ集電板は使いません。
これは仮とめで後から外すからです。
また集電板は非常にデリケートな部品で初期状態から変形すると、期待する集電性能が発揮されませんし、元の状態に戻すことも困難であるため、この段階では使わないようにします。

動力フレームに白いカバーをつけます。
このときに電線は白いカバーの端から出すようにします。
他の場所から出すと車体側面や、車体を構成するブロックと干渉するためです。
コードを出した車両を向かい合わせにして連結します。

連結したらコードを束ねて、適当な位置で一機に切断。
これでデコーダにハンダ付けする電線の長さを均一にすることが出来ます。

電線の長さを揃えたら、一旦台車フレームから基盤を外して、デコーダをハンダ付けします。
当然、この時点でもテスターを使用してショートなどが無いかをしっかり確かめます。
とにかくハンダ付けをしても、コードの皮膜を剥いでもテスターを使い、ここまでの正常性を担保して進めるのがコツです。

ハンダはあらかじめデコーダの端子に盛っておくと上手くいくみたいです。

追兎電鉄の動力車は2両ユニットですが、モーターは1個です。
2個モーターを使ったほうがパワフルになるのでしょうが、モーターの個体差で挙動が不安定になるため、1両は集電専用です。
そのため駆動力を稼ぐためのゴム車輪は、動力車側に移植します。

また無動力とする側の駆動車輪は抵抗を軽減するためギアをすべて除去してしまいます。

そして、やっと組み立てに進みます。
集電番の向きを間違えないように注意。「M」型になるように置いて基盤をはめ込むのですが、実はここが最も難しい部分です。
ここで集電板の位置が悪いと集電性能が著しく劣化します。
またモーターへの銅板が接触してショートしたり…。
ここの時点で、かならずテスターでショートが無いか、電極に相違が無いかを確かめます。

モーターは刻印している側を下にして設置します。
無理に押し込むと銅板が曲がってしまったり、隣同士で接触ショートすることになるので、ここも結構難しい場面です。
とにかく白いカバーで固定するまでが勝負であるし、何度もテスターで確認が必須です。
もし少しでもショートしている気配があれば、やり直すことが重要です。

白いカバーは集電板を押さえる役目と、モーターを固定する役目があります。正確な位置にハメるようにします。
また電線はカバーの端から出すようにして、車体(特に左右の側面を連結する黒いブロック)に干渉しないことに気をつけます。
写真を忘れていますが、ここまでやった時点で、DCCの線路に乗せてデコーダが正常に動作するか確認します。
ただ線路に置いただけでは集電不良となるため、指で上から押さえて動作確認をします。
この動作確認が出来た時点で熱収縮チューブを使いデコーダを保護します。
熱収縮チューブは1.5cmのものがちょうど良いみたいです。
100円の店(ダイソー)にある熱収縮チューブが偶然にも1.5cmなので非常に役に立ちます。

次にBトレ車体を分解します。
KATOの動力を使うためには、旧タイプの連結ブロックでないといけません。
最近のBトレはバンダイ動力を使うことを前提としているため、昔の車両か、昔の車両のパーツを使う必要があります。

また動力車は2両ユニットで車両と車両の間にジャンパをしているため、このジャンパ線を通すために妻面の下部を切り取ります。
見た目は悪くなりますが、妻面のしかも下部などほとんど目立たない(それ以上にジャンパ線が目立つ)ので気になりません。

車体を連結ブロックを使い、側面だけ組み立てます。
この状態で車内におもりを使って補重することになります。

Bトレの車種にもよりますが、車体内に入るサイズの13mm幅に切断しています。とにかく横幅は少しの隙間もないようにすることが大事です。
隙間があると走行したときに左右におもりが動いて車体が傾きます。
逆に太すぎると車体を組み立てることが出来ないです。

板おもりは通常デコボコなので、ラジオペンチで極限まで圧縮します。
動力車に搭載するおもりは、13mm×55mm×12枚ぐらいで、市販のBトレ用おもりの3倍になります。

中心にいれるおもりで18グラム、あと隙間に補重するので22グラム程度になります。

このおもりを車体の隙間に詰めていきます。
ただし左右はキッチリ詰めても上下は余裕をもたせておくことが大事です。

おもりを詰めたら屋根をはめ込んで試運転です。テストコースは半径100mm程度の急カーブです。写真のように車体間のジャンパにチカラがかかります。
おもりを上下に詰めすぎるとあそびが無くなって脱線の原因となりますので、適度な長さに調整をします。このテストが終了すると、切り取った妻面を装着して作業は終了です。

実際、ここまでの作業は写真を撮影しながら…でしたが、約3時間です。とにかく作業するたび正常性確認です。電線も最初に断線がないかテスターでチェックしたり…。確実性は手間を惜しまないことでしか手に入りません。

そういう手間と時間をかけて追兎電鉄の車両は配備されていくことになります。


かなり詳しく書いたつもりですが、わからない時はコメントください。
出来る範囲でお伝えします。